2006年

昨年の暮れ、クリスマス前に風邪をひき
何年ぶりかで39度代の熱が出た。
平熱が35度代なので顔はまっかっかで歩くとふらふらした。
咳がひどく腹筋がいたくなるほどだった。
これで大幅に予定が狂いお正月の準備もままならず
どうなっちゃうの?と案じてはみたが
どうなる訳もなく、ひたすら寝て回復を待つ。
救いは異常に食欲があったこと。
熱で味覚がおかしな具合になっているのにお腹がすいてすいて‥
まっ、いいか、お正月は寝る、と決めたが
来客の予定がある事を思い出し、鼻をかみかみ
窓ガラスを拭き、お正月用の器も揃え
お供え、お雑煮、諸々準備し気合いで新年を迎えた。
こうやって書いてみると新年を迎える準備って
結構いろいろある、だからもう少し早くとりかかれば
良いのだ、いや、毎日の生活をあらため
その日の汚れはその日のうちに落とす。
今年こそそれを実行しよう!
必要でないものを処分し整理整頓をすることは
自分の人生にも置き換えられると誰かが言っていた。

去年のお正月は初詣で転び膝を擦りむいてしまい
家族でお祝いをした時、大好きなお皿を割ってしまった。
その後、間をあけずに2枚割る。
番町皿屋敷〜(お菊さんごめんなさい)と
悲惨な幕開けだっただけに
(ただ、亡くなった母は「割れたお皿で厄ばらいできるのよ」と言っていたことを思い出し、気分的には
そちらをチョイスしたのだが‥)
今年は何事も慎重に、を心がけゆっくり大地を踏みしめ
無事初詣にも行ってきた。
散々な幕開けだった去年のおみくじは「大吉」
今年は「吉」だった。近所の氏神様は「熊野神社」
去年「熊野音楽祭」に招かれて参拝させていただいた
あの熊野本宮大社からの御霊をお祀りしてあるそうだ。
ご縁を感じて御利益に期待!してはいけない。
でも少ししてる。

そんな一年のスタートをきった私の去年は
精神的なアップダウンがひどく、何もできない自分を
情けなく思いながらも何も手をつけられない状態が続いた。
思考がストップしてしまっている。流れていない状態‥。
かと思うと他愛もないことに敏感に反応し涙したりと
「ね〜、私、どこに行っちゃうの〜?」という感じだった。
しかしこれは私だけが特別な訳でなく同じ年頃の友人も
似たような現象が起きている。
年齢からくるものも相当影響しているし、
もっと深刻な方もたくさんいらっしゃると聞く。
黙って話を聞き励ましてくれる友人や
アドバイスを下さる人にもうんと助けてもらった。
そうやってガス抜きをしてもらいながら
私の治療法は歌であることに気付く。
そこに今の私を注ぎ込んで歌えることが救いになった。
嬉しいこと、悲しいこと両方抱えて歩いて行く、
そしてかけがえのないものを大切にしていける
自分でいられるように、去年経験したことを糧とし
今年はほんの少しテンポを上げて
歌いながら上を向いて歩いて行こうと思う。

2006年1月8日

四角 佳子