映画

趣味、映画鑑賞と書いたのに映画のことにあまり
触れてないなかった。今年初めて見た映画の話をしようと思う。
映画の師匠から勧められていた「ホテル・ルワンダ」を見ようと出かけ、そわそわしながら並んでいたら
私の前の人で「満席になりました」と‥。
頭の中はその映画のことで一杯になっていたのでがっかり。
小さな映画館だから仕方ない、
気を取り直し携帯のシネマピアで時間とのタイミングを計り
「単騎・千里を走る」をチョイスした。
高倉健さん主演、チャン・イーモウ監督(初恋の来た道、活きる、等)の映画である。
何を隠そう私は健さんのファンである。
その昔、新宿の映画館で「網走番外地」を
オールナイトで見たのがきっかけ。
ストイックで寡黙な役柄の健さんは強烈な印象で
特に鋭い眼差しは強く十代の私の心に深く焼き付いた。
夜中に出歩く、しちゃいけないことをしたがる年頃だった。
その後、どこかにそんな「過去」を感じさせながら
「幸せの黄色いハンカチ」「はるかなる山の呼び声」「駅」と続く。
数年前、内田吐夢監督の「宮本武蔵」をTVで見たが
主演の萬屋錦之助さんの存在感、脇を固める役者さんはもとより,監督の力量を思い知らされる
素晴らしい日本映画だった。
その映画に健さんは佐々木小次郎の役で出演。
1965年の作品だそうだ。

1956年にデビュー、200本以上の映画に
出演されてから半世紀を殆ど映画の世界で
生きてこられた健さん。
軸がぶれずに生きていくことのすごさを
感じさせてくれる。
礼儀正しく、不器用で義理人情に厚く、
寡黙で‥世間でよく言われているイメージで私も
見させてもらっているが
「単騎・千里を走る」の中にもそんな健さんがいて
中国の美しい風景、山あいの素朴な村人達との
やりとりはせつなく温かい。
人と人が愛し合い、信じあい、語り合うことを
しなければいつまでたっても
争いごとは終わらない‥。
すぐ側にいる人と分かち合うことから始めなくては。
そんなことを素直な気持ちで考えさせられた。
生まれて初めての映画出演、地元の人々の「演技」が
何よりこの映画を際立てている。
ひとそれぞれに歓びや悲しみを抱えて生きていくという事をチャン・イーモウはしっかりと
そして静かに描いてくれた。
健さんもこんな素敵な映画と出逢えて
歓びを噛みしめているだろう。

さて今年は映画の当たり年と言われているそうだ。
う〜ん、楽しみ。
「ホテル・ルワンダ」は必ずや!

追記:「ホテル・ルワンダ」観てきました。
事実を元に制作されたこの映画について
残念ながら今の私にはとても伝える言葉も知識も
持ち合わせていません。
ただ、一人でもたくさんの人に
映画館に足を運んでもらえたらと思います。