私の住む町

私の住んでいる町は
都心のターミナル駅から電車で約10分。
どこに行くにも便利なところだ。
一つ前の駅と一つ先の駅は急行が止まり
おしゃれな洋服屋さんやカフェもたくさんある。
休日には地方から遊びに来る人が多く
街は人で溢れとても賑やかだ。
その間に挟まれた我が町は 駅前商店街・・あったっけ?
日用品の買い物はこの辺りで賄えて便利〜なわけでもない。
日曜日もいつもと変わらずのんびりしている。
そんな町に住んで早24年。
あっと言う間に子供達も成長しすっかり根をはやしてしまった。
子供達の友人が時々遊びに来て大人の挨拶をされると
昔のように軽口をたたけなくてどきまぎしてしまう。
「だれだれが結婚するよ」とか「赤ちゃん生まれたって」
なんて話を耳にすことが多くなり
みんないつの間にか大人になっていた。

大きな街に挟まれたお陰でこの町は
おちこぼれ、のんびりしている。
駅前には古くからの酒屋さんがあり
そこのおいちゃん(ったってそんなに年はかわらないかも)
セレクトの日本酒はもちろん
ワインがたくさん並んでいて安くて美味しいものを選んでくれる。
地元の人が通う雰囲気の良いこじんまりとした
フレンチレやイタリアンのレストラン。
中国人が腕をふるうリーズナブルで美味しい中華料理も食せる。
甘い物に目がない私に「しあわせなひととき」を与えてくれる
目に美しく美味しい和菓子屋さんやケーキ屋さん。
大通を挟み隣の区まで続いている桜並木や
ふと足を止めて深呼吸したくなる散歩道が季節の風を運んでくれる。
そこで交わす挨拶や立ち話。
どこにでもある風景だけど
きらきら輝いて見える。
ちょっと不便だしおしゃれでもないけど
24年前と大きく変わらないでいてくれる。
私が大阪を愛するように
子供達はこの町を愛し故郷となるのかな。
この町が好き、って思った。