2007年03月一覧

北海道・旅日記③

雪の少ない旭川、タクシーで町を抜けると
あっと言う間に「アーリータイムス」の煉瓦の建物に到着。
あの街のあそこにあるのが似合っている。
「こんにちは〜」とドアを開けると他のメンバーはすでに集合。
野澤さん‥変わらない笑顔、去年の夏に戻ったような
気持ちにさせられる。

床から天井まで、レコードや本がぎっしり。
野澤さんの思い入れが詰まった貴重なコレクションを
指でなぞる。
そこは70年代の音楽の玉手箱だ。
さっそくリハーサル、二度目ということもあり
アーリータイムスならではの大陸的なテンポで始まっていく。
全員リラックス
真冬の旭川での2度目のライブに来てくださるだろうか‥
そんな心配は無用だった。
たくさんの方の暖かい拍手に迎えられ
猫「片思いのブルース」でライブの幕は上がる。

2階が控え室。
屋根裏のような部屋は目の位置に頑丈な梁が縦横に走っていて
その上に確かハイネケンだったかな、空瓶が並べてある。
これも野澤さんのこだわりなのか。
テーブルとソファがあり、細長い窓からは隣の建物と空が見える。
着替えも済ませソファに座り、階下から聞こえてくる
「猫」のサウンドに耳を傾けながらストーブの赤い火を見ていたら身体がどんどん沈み地球の真ん中まで行きそうな感覚‥
夢を見た気がした。
どんな夢だったのか‥
ドアが開き、野澤さんが「だいじょうぶ?」と声をかけてくれ
我に返った。
さて、そろそろ出番、ゆっくり階段を降りて行った。

猫と一緒の時はギターを弾くので
いつもより緊張感が増す。
中川イサトさんが
「弾き語りをするときは脳の右と左を
歌とギターに分けたらいいよ」
と教えて下さったが、思うようにいかない。
私の脳味噌はひとかたまりになっているようだ。
猫とのジョイントではポップなサウンドなりアレンジで
「バンド」で歌う楽しさを教えてもらっている。
まだまだ進化しなくてはならないけれど
まる六でのそれとは異なる楽しさを味わいながら
アンコールを迎える。
2曲の予定が4曲に。

北海道ツアー初日の締め括りは
野澤さんの手作りのポテトサラダ(カウンターの中で猫のMCに
つっこみを入れながらジャガイモを茹でていたのを私は、見た)や出汁のうまみがたっぷりの寄せ鍋などテーブルに乗りきらない程のご馳走と乾杯と笑顔に満ちていた。
時折、熱気で火照った身体を外に出て冷ます。
真冬の旭川はぽかぽかと暖かだった。


北海道・旅日記②

旭川の空港からバスで市内まで約30分。
さすがに雪は降り積もり銀世界である。
途中下車する人は地元の方と見受ける。
駅前で殆どの人が降り、私達もそれに続き荷物を抱え
ホテルに向かう、バス停からは目と鼻の先、
チェックインを済ませ
お腹がすいてきたので町に出ることにした。
札幌在住のKさんから
「ラーメンなら梅光軒ですよ〜」とタイミング良く
メールが届き、そのお店を目指す。
道路の端にかきよせられた
水分の多い重そうな雪に足をとられないように
転ばない為にはかかとから踏んじゃダメと
教えられたことを反復しながらゆっくり、でもちょっと
急ぎ足で美味しいと評判のラーメン屋さんに向かった。
道路の角のビル、赤い旗が目印ですぐにわかった。
地下にあるそのお店は2時を過ぎているのに
待っている人がいて、期待に胸膨らむ。
すぐに席を用意してくれカウンターに座り
「味噌バターラーメン!」を注文。
やっぱ北海道と言えば味噌バターでしょ、てなことを
言いながら常ヤンと並んで待つ。
カウンターの向こうは活気にあふれ
親父さんらしき人と息子さん、お客の様子を見ながら
手際良くラーメンを作り、若い女の子が
「おまちどうさま〜」と軽々運んで行く。
とても良い流れで動いているのがわかる。
内山くんは「俺、ちょっと町歩いてくる」と別行動。
石山君は飛行機会社のミスなのか本人の勘違いなのか
予定より1便遅れ、ふふ、らしいなあ、なんて。

ふと、他のお客に出すもやしてんこ盛りのラーメンに目が行く。
あれは野菜ラーメンだわ‥メニューにあった、
あっちにすれば良かった、と行く先を目で追いかける‥。
慌てるとろくなことはない、などと思っていたら!
なんと同じものが目の前に
「はい、お待ち!味噌バターラーメンです!」と
二人、顔を見合わせて良かった〜笑顔&ピースである。
炒めたもやしとタマネギがなんとも美味しい。
バターとお味噌のハーモニーが抜群。
あ、写真撮るのを忘れた‥気付いたときは
富士山のように乗っていたもやしはほぼなく
一応撮ってはみたものの
お見せできるしろものではなかった‥

写真と言えば飛行機の中でバッテリーを落としてしまった。
カメラの設定をし直す必要があったが
空から見る景色は待ってくれずそのまま写したら
帰ってからが大変!PCに取り込んだ筈の写真が見つからず
あちこちクリックしてようやく2002年1月に保存してあるのを見つけた。
「あの時、設定し直していたら
こんな苦労しないで済んだのに」
「いつものことだわ‥」ともう一人の私がつぶやいていた。

4時にはアーリータイムスに入ってリハだ。
札幌ラーメン‥あれ?旭川ラーメン‥?を食べて暖まったけど
夕刻に近づくとさすがに冷えてくる。
帽子と手袋とマフラーがやっと役にたった。

つづく‥