2013年03月一覧

原宿クリームソーダ 山崎真行

1970年代後半。
まだラフォーレが教会だった頃。
私は久しぶりに会った常やんに原宿の「キングコング」という飲み屋さんに連れて行ってもらった。
そこには大きなドーベルマンがいてびっくりしたことを憶えている。
その犬の飼い主でお店のご主人の山ちゃんを紹介された。
小柄でほっそりとした優しげな
でも皮ジャンにリーゼントというスタイル、だったかな、いや夏だったから
アロハっぽいシャツだったかもしれない。
それがやまちゃんとの出会い
すぐに仲良くなった。

やまちゃんは多才な人で「Cream Soda」という洋服屋さんを原宿に出した途端
売れて売れてあっと言う間に原宿の「伝説の人」となってしまった。
お店には常にロックンロールが流れ
アメリカングラフィティに出て繰るようなTシャツや小物
店員さんは全員黒の皮ジャンにリーゼント
お尻のポケットには櫛が入っていてテカテカのリーゼントをいつもなでていた。
女の子はポニーテールに赤い口紅
日本中どこを探してもないやまちゃんのお店だった。
それ以来原宿に行くとお店に立ち寄り
やまちゃんと珈琲を飲みながらいろんな話しをした。
アイディアの宝庫で目をきらきらさせながら何時間も話してくれたっけ。
当時ならではの武勇伝も沢山聞いた。
でも目の前にいるやまちゃんはいつも穏やかで優しい人だった。
そのギャップが魅力的だった。

タバコと珈琲が大好きで私の話もよく聞いてくれて。
世の中がクリームソーダに注目し、ビッグビジネスの話しが持ちあがっても一切振り向かずある意味アマチュアリズムを貫き通した人だ。
その後、「ガレッジパラダイス」「シンガポールナイト」
お母さんのお名前で「菊」という和食屋さんも作った。
当時走りだったタイ料理レストラン「KABARA」
シェフはもちろんタイから呼び寄せ
インテリアからカトラリーまですべてデザイナーにオーダーというこだわりで
クリエイティビティ溢れるものだった。

そのKABARAが入っていた渋谷の自社ビルは1階が「Pink dragon」
今や日本中の若者で知らない物はいない「キャットストリート」は彼が命名した。
裏原の人の流れも予見していた。
ビルの屋上にはプールがあって娘とよく遊びに行ったものだ。
娘をとても可愛がってくれて
当時お店の店員さんだけで作ったバンド「Black Cats」と一緒に
娘も赤いジャケットにリーゼントスタイルでアルバムの写真を撮った思い出もある。
もう何年もお会いしていなかったが
ついこの間も共通の友人と「やまちゃん、どうしてるかな」と
話したばかり。
やまちゃんはそんな人だった。

そのやまちゃんが亡くなったと連絡が来た。
大好きな犬を散歩に出た時に倒れたとか。
桜満開の美しい季節に愛犬とそのまま逝くなんて
やまちゃんらしい。

やまちゃん
ありがとう。
寂しいけど、お別れに行くね。

「原宿ゴールドラッシュ」森永博志 著 ソニーマガジンズ


東横線

子供が幼稚園の時に渋谷からこちらに越して来て早27年。
乗り慣れた東横線が大きく変わろうとしている。
明治通りの工事から一体何年が経過しただろう。
まだまだ先のこと、と思っていたら
明後日16日「東横線・副都心線」と名前も新たに変身するのだ。
川越〜横浜まで乗り換えナシ!(もっと先まであるかな)
便利になるんだ。
通勤通学の人の時短になり流れも変化するのだろうな。
知人宅にも乗り換えナシで行けちゃうから便利だ。
長生きはするものだ。
が、しかしイイネ!だけにはならないところが困った。
あの青空が見える「渋谷駅」とのお別れはなかなか切ないものがある。

渋谷経由の時には必ずと言って良いほど
「東横のれん街」に立ち寄り大好きな甘いものやお総菜を買って帰る。
その「のれん街」にかつて「神田西洋軒」というお菓子屋さんがあった。
ある雨の日その前をバスに乗るために小走りでかけたその途端つるっと滑ってしまい
宙を舞った身体は左肘から落ちて骨折。
ボルトを入れそしてそれを取るため二度の手術を受けたことがある。
忘れられない思い出も今となっては笑い話だけれど。
その「のれん街」も場所が変わるそうだ・・。

待ち合わせは改札を出たところ。
様々な人の顔が浮かぶ。
あの人もこの人も笑顔で手を振っている。
六文銭 ’09のリハをフォーライフで終え、皆で渋谷駅に向かい
私は東横線の改札でバイバイ。
こんにちはとさよならをどれほどこの駅の改札は見ていただろう。

山手線や銀座線、井の頭線への乗り継ぎをして小さな旅を楽しんだ。
これからはもっと便利になるのだけど
当たり前の事として季節のうつろいを肌と目で感じて来たあの駅が
地下に潜ってしまうのはとても残念。

明後日からの東横線・副都心線のスタートを前に渋谷駅には
多くの鉄道ファンがカメラを持ってその姿をカメラに残していた。
私だって思わず撮ってしまうのだからそれは当たり前だね。

時の流れというのはそういうことなのだと思うけれど
渋谷駅が様変わりして乗り継ぎにあたふたしている私の姿がいとも簡単に想像出来る。
は〜、ため息混じり。
当分の間いつもより早めに家を出なくちゃね。


春うらら

今年はかつてないほどの厳しい寒さでしたね。
二人の子供は「冬」の生まれ
生まれて間もない赤ちゃんを早くお散歩に連れて行きたくて
「早く春が来ないかな」と家の中で
うずうずしていたことを思い出します。
長い冬もそろそろお終い。
生けるものすべてが動き出す季節。
この冬は寒さにかまけて冬眠状態で日記の更新も
ここに来てやっとこさ。
皆さまから「いつ更新するの!!」とお叱りも頂戴し、ごめんなさい。です。

去年は12月23日が「Colors」でラストのライブ
翌日はThe Alfeeの武道館コンサートで燃えて
忘年会もちょいちょいやり過ごし
一年の締めくくりとなりました。

ハウスキーピングも見て見ぬふりで過ごした一年を反省し
まずは洋服の整理を!
結構溜め込んでいて、思い切って捨てる!をテーマにチェックスタート。
えええ〜こんなものが、から、やっぱり捨てられない・・まで。
でもかなり捨てました。
思い出も一緒に、なんてね。

お正月に向けて家の中片付けようと
ここ数年明けていないキャビネットの中をおそるおそる開けてみたら
アルバムに貼れなかった写真が3箱も。
家族の懐かしいシーンは一瞬一瞬が切り取られていて
そこですべての行動がストップし
気がついたらとっくに陽が落ちていました。
結局なんの整理も出来ないままそっと元に戻しました。

楽しい思い出もそうでないことも全部私のものだ。

お正月は家族でお祝い、初詣にも行き
新しい一年の
無病息災、家内安全、大願成就、厄除け、商売繁盛しっかりお願いしてきましたが
住所と名前を言わないといけないらしいのですが
後で知ったのでご利益はないかなあ。

去年もツアーであちこちに行かせて戴き
沢山の方との出会いと再会を楽しませてもらうので
忙しくなると家の事がおろそかになってしまうのは仕方がなくて。
だからという訳でもないけれど、暮れから主婦モード全開でした。

上手じゃないけれどお料理は好きで
最近作ってないものに再挑戦しました。
子育ての最中は一日のスケジュールが決まっているので
時間に追われこなすことも主婦の仕事のうちでしたが
今は素材選びから完成までのプロセスをひとつひとつ丁寧に取り組み楽しみたくて。
その時間の流れも味わいたいと思うようになりました。
思考をシフトチェンジするツールの一つが料理なんですね。

いつもの料理にこの素材入れたらどうなる?とか
子供が小さい時によく作っていた「ちゃちゃっとお菓子」にも挑戦。
戴いた林檎を使ってでケーキを焼いたり、ジンジャークッキーを作ったり。
ほうれん草のキッシュもどきも我ながらうまくいきましたよ。
自画自賛。

そこで3月3日のひな祭り&バースデーライブの女性の方のみに
「マドレーヌ」を焼いてお持ちすることにしたのです。
本当はジンジャークッキーの予定でしたが
種が柔らかすぎてハートの型抜きした筈がビョーンとなってしまい大失敗!
これは自宅用になりました。
「ひとりリハ」しながらオーヴンをのぞき込むのも楽しかったです。

今年は家事にも目を向けて楽しみたいと思っています。
何より気分転換になることを再発見。
でも、一年365日キッチンに立って、今日の献立どうしようと
日々格闘している主婦の方には「たまにだから楽しいのよ」と
言われてしまいそうだけれど。
音楽すべての時期から少し変化しているのかなあ。
暮らしの心地良さを求めバランスを考えて楽しみたいなと思う今日この頃です。
うん?
年のせい?

ま、いいや。

ともあれ今年もよろしくお願いいたします。

☆写真は失敗したジンジャークッキーとひとつ残ったマドレーヌ。
林檎のケーキも写メしました(^^)/

okei