季節はずれのシクラメン

長い冬がそろそろ終わりを告げようとしているのに
我が家のシクラメンは今頃花が咲き出した。
毎年11月から12月にかけて咲くのに
去年は気配すらなく来年かなと思っていたら
東側の出窓に置いてある三鉢すべてが
今こそ我が時とばかりに咲かんとしている。

知り合いの花屋の若旦那に聞いてみたら
「あんまり手をかけないでやると
そういう事があるんですよ!」
なあるほど,そういうことか。

東側だから適度にお陽様は当たってくれるし
近頃テレビでもコマーシャルをしている
「ナントカ101」という松や杉やおおばこ
等から抽出したエキスをお水に2.3滴
加えたものを土が乾いたら
与えてやるだけだから・・・
確かに手はかけてやってない。

それにしても季節はずれとは言え
花が咲いてくれるのは嬉しい。
さっきの若旦那曰く
「根がしっかりしているから
咲き終わったら一回り大きな鉢に
うつしてやるといいですよ。」との事
そうしようと思う。

冬眠から目覚めたシクラメンのように
やっと私ももぞもぞ動きはじめる。
年末から何やかやとイベント続きの
生活を繰り返してきたので
子供達が成長した今も
同じ様なリズムで動いてしまう。
そのせいか1月はぐったりだ。
でもそろそろチャンネルを切り替えて
スタートしなければ
春においてけぼりにされる。

つい数日前「六文銭BOX」が届いた。
白い封筒にゆっくりハサミを入れ
セロファンをはがし
黒い箱から取り出した3枚のCD・・・
「キングサーモンのいる島」から流れてくる
マンドリンの音色のように心が震えた。
あの頃のレコードに針を落とす瞬間とは
違った熱い思いが胸を走る。
原さんの顔が橋本くんの顔が浮かぶ。

小室氏との出会いから始まった私の六文銭は
たった1年だった。
28年という時間を超えて
新たに走り出した私の人生のこの瞬間に
再び3枚のアルバムを手にできるとは
想像もしなかった。

うららかな早春に
心とからだに生き行くものの息吹きを
感じながら聞き入っている。
このアルバムを聞いてくれた方々と
もう一度共有できる歓びをかみしめながら。