北海道・旅日記①

約7ヶ月ぶりの北海道。
待っている時間は待ち遠しく、しかしある瞬間から
ビデオテープの早送りのように瞬く間に過ぎて行く。
初めての冬の北海道、雪景色を想像し
前回お手伝いいただいた方々の顔を思い浮かべながら
支度にとりかかる。
今回はギターもお供に連れていくので
なるべく身軽に、でも旭川はマイナス20度になるかもと
判断が右に左に揺れ時間だけが過ぎて行く。
帽子、マフラー、手袋
厚手のタートルネックのセーターは必要だし
下着もヒートテック?なる物を、靴下、シワにならない事が
条件の衣装に靴‥化粧品
冷たい風、舞い散る雪、積もった雪道に足をとられたら‥
北の大地のイメージが膨らみあれもこれもと
荷物が増えてバッグに入らない。
旅慣れていないのである。
「どうしよう」
手を休めパソコンを立ち上げ天気予報を見る
旭川はマイナス6度、これならそんなに寒くないかも。
それに室内は暖房設備が行き届き暖かいと聞くし
そんなに歩くこともないだろう。
荷造りは一からやり直しなんとか収まった。

翌日、東京は晴れ、羽田を少し遅れてを飛び立った。
寝たのが3時で寝不足、飛行機の中で寝るつもりが
眼下に見える景色の美しさに心うばわれ
小さなアクリルの窓におでこをくっつけ、食い入るように見てしまった。
東京アクアラインが目に入る。
途中から道路がなくなっているのに驚くが
海の中にもぐっているらしい。
大丈夫なのだろうか。
利根川、霞ヶ浦、本州を西と東に分けるように山々が連なり
山頂の尾根が見える、川があり畑があり点在する家々は
2㎜角ほどの大きさにしかみえないけど
四季折々自然と共存しそこに暮らしている人々に思いを馳せる。
上空から見る日本列島は豊かな自然に恵まれ
圧倒的に美しく愛おしい。
都会暮らしに慣れ便利な生活に慣れてしまった私ですら
すべての生き物を守らなくてはと思う瞬間だった。
雲に覆われて見えなかった蔵王、客室乗務員が
「見えましたか?」と笑顔で声をかけてくれたのが嬉しかった。

「そろそろ旭川に向かって高度を下げます、旭川の天候は曇り、
マイナス2度、今一度ベルトをおしめ下さい」とアナウンス。
外はいつのまにか白とグレーが交互のモノトーンの雪景色
パウル・クレーの絵のようだ。
そんな絵、なかったかな。

つづく‥