北陸、関西への旅

地方での連続のライブは広島、大阪以来のことで
まる六の青山マンダラでのライブ翌日から4日連続ということで
体力に自信を持てないまま出かけて行った。
今回のツアーのことを猫の常やんを始め
詳しく素敵に書いてくれている方がおられるので
今回はライブ以外のことを書くことにした。

当初は飛行機で小松までという予定だったが、こちらの都合の良い時間に到着する
飛行機がなく、新幹線で越後湯沢まで行き「特急はくたか10号」に乗り変えて金沢へ。
30数年ぶりの金沢は大きく変わり駅前にある大きなオブジェのような物が目を惹いた。

駅の名店街で喉飴として良いと聞ていた飴を買う。
「俵屋」有名なお店で私も名前は知っていたが
自然で優しい甘さ、添加物を一切使っていない安心感は
心まで潤う気がして嬉しい。
あっさりとした後味の良い飴。懐かしい味がする。

タクシーで初日の「メロメロポッチ」へ。
店主の熊野さんは想像以上にお若くてちょっとびっくり。
笑顔と張りのある良い声で迎えてくれ、ご挨拶もそこそこに
リハーサルに取りかかる。
それぞれチェックし、同行した山猫さんも音を聴きながら
てきぱきと対応して下さった。
お客さんからどのような反応があるのか想像できなくて始めは緊張したが
ゆったりとした空間でそれぞれ楽しんで下さっているのが伝わってきた。
猫はいつものようにテンポ良く進め観客の気持ちをキャッチする。
さすがである。
本番終了後、短い時間だったが皆さんとお話をさせてもらい
後ろ髪を惹かれる思いで金沢を後にし富山へ向かった。

メンバー全員で車での移動は当時を思い出させてくれ
昂揚していたかもしれない。
やけにおしゃべりしていたような気がする。
運転してくれた矢地くんは中村俊介に似た20代の青年で
翌日のPAの責任者だ。
私が隣に座ったのが運の尽き、約1時間、うるさかったよね、きっと。
ごめんね。
その夜はバタンキュー。

翌日、午後町中を散歩。
市内を「ポートラム」が走っている。
どうも私は路面電車が好きで見入ってしまう。
日本海と北アルプス立山に囲まれたこの街はとても穏やかだった。

甘いもの好きな猫のメンバーに「石谷餅や」の
黒砂糖のたれがたっぷりからまったお団子をおみやげに買い
お昼は、これも事前に教えてもらっていたお寿司屋さんに行き
地で捕れた新鮮なネタをほおばった。う〜ん美味。

富山カナルパークホテルではリハもさくさく終え、
北日本放送の「フォークルネッサンス」という番組の取材を受ける。
若いアナウンサー栂安亜紀(つがやすあき)さんがインタビューしてくれた
フォークが大好きで猛勉強していると
仰っていたが、その言葉どおりよくご存知で驚いた。
近頃20代と思われる姿も会場で見受けられ、新たな喜びを感じている。

車窓から琵琶湖を眺めながら走る電車は疲れた身体にとても優しく
旅をしている気分で最高だった。
京都で新幹線に乗り継ぎ神戸に向かう。
帰宅後のリハーサルの折、香真良くんに電車での移動の話をしようと思い
「え〜と、富山から大阪に向かう特急、なんていう電車だったかなあ・・」
と、すかさず「特急サンダーバード号」と説明してくれた。
さすが鉄道好きである。

神戸は元猫のメンバー御守くんのお店でのライブ。
御守くんのことが気がかりだった。
大病から奇跡的に復帰したと聞いてはいたが
力強く楽しそうに歌っている姿をこの目で見て安心した。
猫のメンバーも嬉しそうだった。

タクシーの運転手さんが教えてくれた神戸で一番美味しい
「たちばな」の明石焼きをおみやげに持って行ったが
何のことはない、私が食べたくて買ったようなもの。
地元の人は食べ飽きているだろうに。
でもとても美味しかった。
前回大阪の「ラッズギャラリー」でのライブの時に来て下さった
方々と神戸、大阪で再会でき嬉しかった。
行く先々で皆さんからパワーをもらいそのお陰で
不安だった体調もなんとか保ち、元気で歌えた。

宿舎の近くに南京町があり
翌日ぶらぶらし昼食前に中国茶を楽しんだ。
味も香りも日本茶とは異なる世界、香りと味を楽しむ為のセレモニーと言うか
演出というのかゆっくりとした時間が流れ優雅な気分になれる。
さてお昼は当然中華料理。
10品とデザートランチメニュ、全員綺麗にたいらげた。
食事中大雨になったが、初日からの不順な天候をうまくすり抜けられた
のも幸運としか言いようがない。
お腹も一杯になり幸せな気持ちで大阪「ヒポポタマス」に向かった。
しかも乗り込んだ電車は全車両スパイダーマンの絵が描かれていて
「これに乗りたい〜」まるで遠足気分である。
ヒポポはJR安治川口にあるライブハウス。
ご主人とはマイミク仲間ではあるがお目にかかるのは初めて。
不思議、初対面とは思えなかった。
ふと目を上げるとそこには高田渡氏の写真が貼ってあって
ステージからは丁度正面。
本番中、何度となくそこに目をやっている私がいた。

4日間のツアーはあっと言う間だった。
東京駅で、三つの荷物(ギター、バッグ、ガラガラ)が
お弁当を買ったが為に四つになった途端、
例のガラガラを忘れそうなりはしたが、寸前天の声が聞こえ
なんとかセーフ(三つ以上は記憶が消える?)
出かける前にあれだけ忘れ物しないように、車のトランクに
荷物をいれないようにと、ご心配いただき、今回は絶対に
忘れないとチェックしたつもりが最後の〆とでも言うべきか・・
ヒポポタマスにパーカーを忘れてきた。
あ〜いやんなっちゃう。
クール宅急便で送るで〜と、大王さまからのメッセージ。

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