わすれもの 2

真夏のツアー、今年は暑さと雨が交互にやって来て
体力勝負だった。
8月22日上越、23日は弥彦へ「猫」とのジョイントツアー。
新しい出会いと共に新鮮な気持ちでライブを終えた。
地元の皆さんの熱くて優しい気持ちに大きく包まれ
一期一会とは異なる出会いと感じる。翌週の30日、31日の初の北関東でのソロライブ
香真良君にお願いして車で行くことにした。当日の朝、前橋までの地図がないことがわかり
急ぎPCの地図を数枚コピーをした。
香真良君が迎えに来てくれ
その地図を渡し目的地に向かう。
女性は地図を見るのが苦手と言われるが私も例に漏れず
苦手中の苦手。
運転している香真良君からある場所を「探してください」と
地図帳を渡されたがお手上げ状態。
そもそも私がナビゲーターであることが
間違いだと判明したが時すでに遅し。
「えっ!なに、地図?ちょっと待って、あら、字がちっちゃい・・ごめん、だめだわ」
そんなこと言ってる間に車は高速道路をどんどん進んでいる訳だから
あきれてモノが言えない状態の香真良君。
運転しながらも巧みに探しあてた。やるね。
感心するだけで隣に座った私はまったく役立たず。
しかもホテルまでの地図を忘れるありさま・・
文句の五つや六つ言われても仕方ないのに。

初日、前橋「音処きしん」でのライブを無事終え
皆さんと乾杯し時を忘れ色んなお話をさせていただいた。
こんな時間を過ごせる喜びは格別でいつもよりお酒が美味しい。
初対面と思えないのはきっと音楽が繋いでくれるのだろう。
再会を約束しお店を後にした。

その夜の宿で一人でひと騒ぎ。
部屋のドアに鍵をさしたままだったことを忘れ
冷や汗300%で探したが、過去の経験のお陰で
ものの10分で探し当てた。
(1月の北海道では一晩さしたままだった)
教訓は活かされた。

翌日は栃木県佐野市「Dining bar Ken」でのライブ。
数日豪雨で悩まされていたが その日の朝は晴れて気持ちの良い日だった。
名物「佐野ラーメン」を食べる約束をしていたが
まだ時間があったので「アウトレット」に行くことにした。
思った程待たされず駐車場に入る。
それぞれ目的のお店が違うので、後で合流することになった。
私は日焼けしないようパラソルの下に座り
アウトレット内の地図を眺めていた
(こういう地図は動物的カンでなんとかわかる)
携帯のチェックをしようとバッグから取り出したら
留守電が入っていた。
ホテルに花柄の袋がベッドの上に置き忘れてありました、とのこと。
まさか!部屋を出るとき忘れ物がないかチェックした筈なのに
大大ショックだった。
朝起きてからチェックアウトするまでの行動を思い返してみたが
どうにも忘れた記憶がない。
ベッドカバーと同化していたとしか思えない。
置き忘れた花柄の袋には
なんとその日に着る「衣装」が入っていたのだ。
教訓は活かされてなかった。

皆に言ったらきっと笑うだろうなって思った。
そんなこと考えてる場合じゃない、けど、ちょっと待って。
ここはどこ! アウトレットではないか!!
神様は私を見捨てなかった。
忘れ物は送ってもらって、ここで探せば良いのだ。
そうなると目の色が変わるのが「おんな」ってもので
夏物は捨て置き秋物を物色しゲットした。
気分はるんるん。
アウトレットから見上げた空は綺麗なブルー
雲が高く秋の気配が感じられた。
偶然にも友人と再会したことも書いておかなければ。
その後皆で食したラーメンの美味しかったこと。
これだから旅はやめられない。
転禍為福。

*写真は「北むら」で食べた悟空ラーメン
*アウトレットから見た空
*車中から撮った田んぼ