年の初めになんですが。

ふと納豆について書きたくなった。
でも何も今日でなくても・・
今日は
米国歴史上始まって以来初の黒人大統領が誕生した
歴史的な日なのに。
変かなと思いつつ、忘れないうちに。

私が子供の頃
不幸なことに我が家には「朝ご飯に納豆」という習慣がなく
(大阪という土地柄かもしれない)
今でこそ、どこのスーパーでも置いてあるが
東京に来るまで実物を見たことがなかった。
テレビで見かけた朝食のシーン、ぐるぐるかき混ぜた納豆を
ご飯にかけるとねばねばと糸をひき・・一気に掻き込む。
「東京の人は朝からなんやけったいなもん食べてはんねや〜」

十数年後、
そのけったいな藁に包まれたお豆さんと出会った時の衝撃たるや
なんと表現して良いか。
テレビでは匂いは伝わらないから。
「これはアカン・・」(すみませんm(_ _)m)
出会いは最悪だった。

食べないまま数年が経ち
ある日、友人達との集まりで納豆のことが話題になり
食べず嫌いだと伝えると
それは不幸なことだと、速攻あるお店に連れて行かれた。
「騙されたと思って食べてみて!」と言われ
目の前に出された納豆をおそるおそる口にしてみたら
ガ〜ン、目からうろこ!美味しかったのである。
その日から人生観が変わったのかも。
「ルックスやないな」

一目惚れした、いやひと味惚れした納豆をご紹介したい。
「五色納豆」
六本木の瀬里奈の脇を入ったところにある
「わかば」という割烹の名物である。
顔がちっちゃくてハンサムな板前さんの
威勢の良い声と優しい笑顔に魅せられ
そして、五色納豆に魅せられ何度も通った。
今で言うオーナーシェフは
ちょっとゴツっとした、素敵な職人さんの手を持っていた。
その手から創り出される料理はどれも見事だった。

材料:叩いた納豆とお刺身のマグロと烏賊
キュウリと沢庵 全て5ミリ角くらいに切り揃える。
紫蘇も入っていたような気がするが定かではない。
卵黄と葱、海苔。
芥子や山葵を入れ醤油を適宜たらし
一気にかき混ぜる!!
口に含むとそれぞれの素材がやさしく主張し
沢庵とのコラボには参った。
ご飯がなくてもこれだけでおつまみになる一品。
今やそんな贅沢な納豆でなく芥子と葱と醤油だけでOK!
お豆腐と共に欠かせない食材である。

その土地による食文化の違いは興味深く
あれ以来食べず嫌いを無くすべく
どんなものでも一度はチャレンジすることにした。
「わかば」も今は4人の息子さんに板場を任せているようだ。
あのお父上の味と心意気も受け継いでくれていることだろう。
おっと!自家製の腸詰めも最高だと付け加えておこう。
ウン、近々行けたらいいな。
簡単に作れるので皆様もお試しあれ。

注:写真は「わかば」の五色納豆。
http://www.roppongiwakaba.jp/