終章

那覇マラソンから一ヶ月が過ぎた。
新たな気持ちでこれをまとめとしたい。

12月5日午前7時ホテルのロビー集合。
忘れ物がないかをチェックし降りて行くと
「団長」の杉田二郎氏が眠そうな目をしながら
その場に居てくれた。
前夜も遅かっただろうに。
一緒に行動してくれる心意気がなんとも嬉しかった。

全員で歩いて奥武山陸上競技場に向かう。
お天気は曇り。
気温も22度、湿度もさほどでなく
台風の名残は風だけだった。
「いい感じだね」とK氏。

大勢の人が県の内外から集まって来る。
「気」と言うのだろうか前を歩く人の
身体から発散している何かが見える気がする。
自然と声高になり歩くスピードも早くなって
次第に気持ちが高揚してくるのがわかる。

二万数千分の一の私は
そこにいることが嬉しくて
ドキドキわくわくしながら
午前9時のスタートを切った。
「おけいちゃん、先に行くからね」と
K 氏は風の如く駆け抜けて行った。
「いつもとちがう‥かっこいい‥」
見とれながら後ろ姿を見送った。
教えてもらったことを反芻しながら走る。
風が気持ちいい。
なんとしても5km は完走するよと心の中で
師であるK 氏にメッセージを送る。
後からスタートした人がどんどん追い抜いて行くが
駒沢公園を走った時の感覚を思い出し自分のペース
で走ることを再確認。スタートした時の
一体感とは反対に自分だけの世界感を感じる。
あっという間に5kmを目前にし
「あれ?これならまだ走れる」と思ったら
団長が仲間と共に「おけい、頑張れ!」と
声援を送ってくれているのに気付き
「がんばるよ〜」と手を振り返した。嬉しい!

その後永井龍雲氏が「沖縄に人の声援は熱いです」と
話してくれたことを肌で感じることになる。
目標を達成した私は気持ちが楽になり
走りながら沿道の人達の様子を
心から楽しむことができた。
エーサーで歓迎してくれ、太鼓を鳴らし声をかけ
子供達は手を出し一人づつタッチする。
家族で塩やレモンのハチミツ漬けやお水を用意し
手渡してくれる。
疲れてきた時に口に含んだ黒砂糖の甘さが
なんとも言えない。
力が蘇ってくるようだった。
どの顔も笑顔笑顔!私も思わず笑顔。
なんて温かいのだろう。
途中お腹が痛くなったがそんなことも
忘れさせてくれる位優しい応援だった。
初めてのマラソンは目標を越え
13kmという結果で終わったが
目標を達成できた人出来なかった人
それぞれが最高のドラマを
自分の中に残せたことだろう。

風が強く気温も下がり寒い中
私たちの帰りを待っていてくれた
団長とスタッフの皆さん、ありがとう!
準備してくれたバーベキューや
おにぎり美味しかったよ。
痛みをこらえて戻ってきた皆の笑顔
最後まで応援してくれた団長の涙
そして私たちを引っ張ってくれたK氏。
どのシーンも心に深く焼き付き
私の那覇マラソンは静かな感動と共に幕をおろした。

さて、新しい年を無事迎える事ができました。
今年も自分と向き合いながら
何かを始めてみたいと思っています。
これからも私の他愛ない独り言に
おつきあいいただければ幸いです。。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。